№0054 インナーナンパ
テニスの指南本であるが、テニスだけでなくあらゆるスポーツ、そしてスポーツ以外のジャンルにも通じる話で、とても哲学的で深い。
著者は意識をセルフ1とセルフ2という風に分ける。ときにそれは表層意識と潜在意識という呼ばれ方だったり、ときには左脳と右脳という呼ばれ方だったりするのかもしれない。
セルフ1が意識を支配し正しいフォームであれこれ悩んでいるうちはテニスは決して上達しない。セルフ1がセルフ2が全面的に信頼することによって、いわゆる無我の境地に至ることによってテニスが格段的に上達するという。
この本を読んだのは何年も前だが、内容は非常に腑に落ちた。しかし、その一方で日常でどう意識的に実践していけばいいのかが分からなかった。
最近になってこの本を思い出す。
ナンパにおいてもあれこれと頭でグチャグチャ考えているときは結果は出ない。良し悪しの判断を外し、自分の挙動に非常に深く集中している状態のときに最高のパフォーマンスを発揮できる。
やはり意識してそういう状態に入るのは難しいが、過去にそういった状態だったときの感覚を思いだそうとすることによって、多少なりとも以前よりはコントロールすることができるようになった。
セルフ1がセルフ2を信頼する状態、今では「ゾーンに入る」、「フォロー状態」などいう呼び方が一般的だ。