#197 ナンパにテクニックやマインドセットは不要と彼は言った
さて、話は数ヶ月前にさかのぼる。
ナンパ活動を再開するにあたってオレはあるナンパ師のもとを訪れた。
仮に彼の名前をジョーとする。
ジョーはオレの所属するナンパコミュニティにて30代後半からナンパを始め、40代にして100人切りを達成したレジェンドである。
彼の指導を受けて成果を出すようになった仲間たちが何人かいた。
前々回までのエントリで述べたようにナンパにおける新しい「戦略」を必要としていたオレは彼のナンパ講習を受けることにしたのだ。
ジョーの教えてくれたナンパ手法というものは、巷にあふれるそれらとは全く異なっていた。
いや、異なっているどころか、それら全てを否定している内容だった。
もっと言うと、テクニックやマインドセットなど不要と言っているのに近い。
ナンパノウハウの収集マニアとも言うべきオレにとっては衝撃の内容であった。
これまでの手法であまり結果の出なかったので、180度方針転換して彼の言うことに従ってみることにした。
そして、講習後街に出てみて、声かけを実行。
十数人声かけたがその日は坊主。
次に街出たときも坊主・・・その次も・・・。
ナンパの結果は水物である。
サンプル数がある程度なければ、手法の是非は問えない。
とりあえず、100人声かけてみるまでは、変に自分の考えを出さずに、守破離の「守」のとおり、師匠の教えに従おうと続けることにした。
(次回へ続く)
#196 オレはチバさんにも火の鳥さんにもなれなかった
為末大さんは元々100m走が専門の陸上選手だった。
中学時代には100m走で華々しい記録を残したが、高校に入ると世界とのレベルの差に愕然。
世界の舞台でメダルを獲るには、100m走ではなく400mハードル走の方が取りやすいと考え、400mハードル走に転向。
その思惑どおり、見事世界選手権で2度の銅メダルを獲得することとなった。
為末大さんは語る。
「戦略とは、トレードオフである。つまり、諦めとセットで考えるべきものだ。だめなものはだめ、無理なものは無理。そう認めたうえで、自分の強い部分をどのように生かして勝つかということを見きわめる。」
根性論が美化される風潮にある日本では「諦める」ということはネガティブに捉えられることがほとんどだ。
夢を諦めずにがんばれば必ず報われる・・・果たしてそうだろうか。
苦痛の中で努力しているときは「がんばった」という感覚が強くなる。それがこころの支えにもなる。ただ、がんばったという満足感と成果とは別物である。
スタープレイヤーは、努力を努力と思わず、努力そのものが楽しいという星の下に生まれてきている。
無情なことに、凡人の苦痛を伴った努力とスタープレイヤーの楽しさを伴った努力では、後者の方が断然成果が出ることが圧倒的に多い。
オレもご多分に漏れず、努力と根性を礼賛する漫画等のメディアの影響で努力は苦痛を伴った方がよいとすら思っていた。
しかし、それは結局考えることから逃げた上でのオナニーだったのかもしれない。
結果を出すことにコミットするのであれば、努力信仰の呪縛から抜け出し、何かを「諦める」ことによって新たな一歩を踏み出す勇気を持つべきであろう。
オレがナンパにおいて諦めなければならないことは、「新宿ナンパ大戦争」のチバさんや、「ナンパはイマジネーション」の火の鳥さんの真似をするということだ。
想像してみてほしい。
ナンパ界の出川哲朗ことムササビが、ディーン・フジオカ(オレの中でチバさんのイメージ)、小栗旬(オレの中で火の鳥さんのイメージ)の真似をしようとしても滑稽の極みだろう。
だが、出川哲朗は小栗旬やディーン・フジオカになれなくとも、オンリーワンの魅力に満ちあふれている。
オレは誰でもないオレの強みを活かせる道を目指していく!
#195 戦略なきナンパ活動
前回までは何かの活動を行う上では戦略が重要だという話をしてきた。
では、今回はこれまでのナンパ活動においてオレがどういった戦略をとってきたかを振り返ってみたい。
オレがこれまでナンパ活動で取ってきた戦略・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?
そんなもんあったけ????
まずナンパの世界に興味を持ったオレが最初にナンパのイロハを教えてもらうために門を叩いたのが、ドム氏(仮名)のナンパ塾であった。
ドム氏のところでは誠実系の手法のナンパを教わった。
そこからナンパで結果が出なくなるとすぐに別の講師に師事したり、理論だったりに飛びついていった。
師事した講師を順にあげていくと、自己啓発系ナンパ師のクロコ氏(仮名)、ホストスタイルの即系ナンパ師のシュート氏(仮名)、自己DHVを水増しして美女をターゲティングするグリフィス氏(仮名)、NLPの理論をベースに演劇の手法などを取り入れたゼロムス氏(仮名)・・・など
理論は恋愛工学だったり、ナンパブログだったりをつまみ食い・・・
いろんなスタイルを取り入れて、自己のスタイルを確立するという戦略というのはありだろうが・・・オレは決して戦略的なビジョンを持ってそういった行動をとってきたわけではなかった。
ただただ、目についていいなと思ったものに対して、藁にもすがる思いで条件反射的に手を出してきただけだ。
これまでのオレに戦略はなかったのだ・・・・・・
前回述べたように戦略とはベクトルの向きであるともいえる。
戦略を定めることにより一つの方向に向かって一歩ずつでもいいから歩んでいくことができる。
戦略を定めずに進もうとすれば、目的に近づくこともあれば、遠ざかってしまうこともある。
誠実系をやってみたり、オラオラ系をやってみたり、闇雲にあっちこっちに取っ替え引っ替え手を出していたオレは果たしてナンパで結果を出すという目的にどれだけ近づくことができたのであろうか・・・
戦略皆無、これこそがオレのナンパ活動の最大の問題点だったのだ・・・!!
#194 戦略と戦術
前回同様ナンパ活動を仕切り直す上で、ナンパにおけるマーケティングについて、その土台となる戦略的思考について考察してみたい。
参考にしているのは、「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」という本だ。
さて、戦略とごっちゃにされやすいのが戦術という言葉である。
しかし、戦略の話と戦術の話は明確に区別しなければならない。
戦術は戦略を実行するための具体的なプランというように定義付けることができる。
戦術は戦略の下位概念であり、当然戦略の方が重要である。
そのことを考える上で、日本の戦国時代を例にとってみる。
戦国時代最強と言われる大名の1人は上杉謙信である。
上杉謙信は越後の精強な兵を従え、そのカリスマ的な統率力で合戦ではほとんど負けることがなかった。合戦というのは、戦略を実行するための具体的なプラン、つまり戦術の一環である。上杉謙信は優れた戦術家であると言えよう。
しかし、ご存知のとおり、上杉謙信が天下を取ることはなかった。
この時代に最初に天下を取ったのは織田信長である。
織田信長は優れた戦術家でもあったが、それ以上に希代の戦略家であった。
織田信長は当初から明確に天下を取ることを意識し、そのための戦略を入念に練っていた。
織田信長は上杉謙信、あるいは武田信玄などとは正面からぶつかることは愚策であると判断し、外交で懐柔した。
その間に京へ上洛し将軍家を擁することで天下を取ることとなった。
前回説明した戦略の核となる(ターゲットの)選択と(リソースの)集中を見事なまでに実行したのである。
一方の上杉謙信は関東管領が助けを求めてくれば兵を出し、信濃の豪族が逃げ込んでくれば兵を出すなどして、武田信玄や北条氏との消耗戦に陥ってしまった。
天下を取るという戦略的観点からすると、(ターゲットの)選択と(リソースの)集中はブレブレであったといえる。
(最も、上杉謙信はそもそも天下を取る意志はなかったと言われている・・・)
さてさて、戦略と戦術を考える上でもう一つ、次のマトリックスをみてほしい。
戦略と戦術の4パターンの組み合わせである。
これらで良い結果が出る順番に並べてみるとどうか。
多くの人は「A→B→D→C」、次いで「A→D→B→C」と回答する。
ところが、どちらも不正解だ。
正解は「A→B→C→D」である。
CではなくDが最も悪いというところに多くの人は意外に感じるであろう。
では、CとDのパターンを会社で自分のチームの士気を上げるという目的で考えてみよう。
前提として、「チーム内コミュニケーションを増やす」ことが士気を上げることのできる戦略・良であり、「叱ったり、罰を与えたりすることで締め付けを強くする」ことが逆に士気を下げてしまう戦略・悪であるとする。
Dパターンは「叱ったり、罰を与えたりすることで締め付けを強くする」ための戦術=具体的なプランが上手くいってしまい、締め付けが強くなってしまった状態である。
Cパターンは「叱ったり、罰を与えたりすることで締め付けを強くする」ための戦術=具体的なプランは上手くいかず、締め付けが強くならなかった状態である。
ここまで整理すれば明らかだろう。
締め付けが強まってしまい士気がより下がってしまったDパターンが最も悪い状態なのである。
戦略はベクトルの向きの話であり、戦術はベクトルの強弱の話である。
冒頭で述べたとおり、だから2つを明確に区別して考えていかなかればならないのだ。
戦術レベルの話をする前には、まず戦略レベルの認識をすり合わせておく必要があるのだ。
以上、長々と語ってしまったが、ここまではあくまで前段である。
次回からはいよいよナンパに絡めて話を展開していく。
#193 戦略とは選択と集中だ!
マーケティング・・・
オレの脳内でその言葉がグルグルと回っていた。
前回紹介した「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」という本によると、マーケティングを行う上で最も大切な能力となるのが、戦略的思考能力を身につけることだ。
戦略というのは誰しも聞いたことのある言葉だと思うが、目的を達成するための資源(リソース)を選択することと定義付けることができる。
一体何のこっちゃというところかもしれないが、仮想のA国の防衛戦略を考えてみよう。
A国は東国・北国・西国・南国の4カ国に囲まれており、兵士100人(=リソース)で防衛しなければならないとする。
このとき、東国・北国・西国・南国いずれの国とも国交がなければ、各国境に均等に兵士25人を配置させる必要があるだろう。
ところが、東国・南国に対して友好を結べば、二国に対して兵士を置かなくて済むようになり、北国・西国の各国境には50人ずつ兵士を配置させることができるようになる(=選択)。
このように自国の防衛という目的を達成するにあたって、戦略を練ることでターゲットを選択し、リソースを集中させることでより安泰に近づけることができるのだ。
戦略の常道としては、リソースを集中させることにある。
例えば、話を企業の経営戦略に変えて考えてみると、リソース(ヒト・モノ・カネ・ブランド)を集中させずに分散させてしまうとだいたい失敗してしまうことが多い。
数年前にお家騒動で注目された大塚家具はそれまで会員制の販売形態を取るなどして高級家具店として確固たるブランドを築いたが、大塚久美子氏が社長に就任してからはカジュアル路線の新業態店舗も出すようになった。
結果としてはこれが裏目に出て大幅な減収減益を招くこととなった。
結果論で語るならば、カジュアル路線にリソースを分散させずに、高級家具店としての業態にリソースを集中させるべきだったということだ(あくまで結果論だと思いますが・・・)。
※ナンパから話が大分ズレてしまっているが・・・この辺の考えが非常に重要なのです。もうちょっとだけマーケティングの話が続くぞい